看護学校新1年生のみなさん
入学までに解剖生理学はしっかり事前学習しておきましょう。

長年、
看護学生を見ていて思うことがあります。

それは解剖生理学だけは、
早期に全部学習してしまったほうが良いということです。

なぜなら、
解剖生理学は看護学全体の基礎をなす科目だからです。

とくに下記の関係は重要です。

・解剖生理学と生化学
・解剖生理学とフィジカルアセスメント
・解剖生理学と病理学

看護学生新1年生のみなさん
入学までに 解剖生理学はしっかり学習しておきましょう。それでは

「解剖生理学」とは、どんな内容なのでしょうか。

解剖生理学というのは
「解剖学」と「生理学」が合体したものです。

「解剖学」では、
臓器や組織などの場所や形、構造や名称を学びます。

「生理学」では、
正常なときの臓器や組織の機能や働きを学びます。

ですから、臓器や組織が正常でないときはどうなるかを学ぶのが、
「病理学」ということになります。

ついでに、薬を投与するとどうなるか
それについては「薬理学」で学びます。

すなわち、「解剖生理学」を中心に
いろんな分野が関連してつながっていくのです。

したがって、「解剖生理学」が十分に理解できていないと、
「病理学」や「薬理学」が理解できないということになるのです。

病院実習が始まって アセスメントを書くときに、
解剖生理学の理解が不十分だと指導者から叱られますから

それでは

「解剖生理学」ではどんなことを学習するのでしょうか。

下記のような項目を学習します。

■人体各部の区分
■骨格系
■筋系
■循環器系
■呼吸器系
■消化器系
■泌尿器系
■生殖器系
■内分泌系
■神経系
■感覚器系

以上
とてつもなくたくさんの情報量です。

ひとつひとつみていきましょうか

■骨格系

骨格系は
全身の骨(コツ)について学習します。

臓器の位置、血管の位置などについては、
骨を基準に考えますから、

骨格系がわからないと
後々困ることになります。

解剖生理学の多くのテキストは、
頭蓋骨(とうがいこつ)から始まります。

しかし私は
脊柱,(せきちゅう)から憶えていくと 後々都合が好いと考えています。

脊柱、いわゆる背骨ですが、
基本的に椎骨(ついこつ)の積み重ねで出来ています。

椎骨は、動画の冒頭の骨(こつ)です。
上から頚椎(けいつい)で、椎骨が7個積み重なっています。

その下が胸椎(きょうつい)で、椎骨が12個積み重なっています。
その胸椎の左右に肋骨(ろっこつ)が12本連結しています。

「ろっこつ」は、「6骨」「六骨」ではありません。
「ろっこつ」は、「肋骨」です。漢字に注意して下さい。

胸椎の下には腰椎((ようつい)が続きます。
椎骨が5個積み重なっています。

「7」と「12」と「5」
憶えておきましょう。

さらに腰椎の下に、仙椎(せんつい)が続きます。
仙骨は椎骨が5個融合して形成されています。

そして最後は尾椎(びつい)。
3~5個の椎骨が融合して形成されています。

なんだか難しい話しになってしましました。
ごめんさい

■筋系

筋系は
全身の筋肉について学習します。

筋肉は骨とも密接に関わっていますから、
骨の学習との関連性が高いです。

なぜ肘が曲がるか なぜ膝が曲がるか 歩けるか
わかればたいへん面白くなります

骨系と筋肉系
ヨガをやっている人は 理解がしやすいかもしれません

■循環器系

ここではなんといっても心臓の学習が軸です。
命に関わる最も重要な臓器ですから。

また看護技術では
血圧測定法、バイタルチェックなどがあります。

フィジカルアセスメントでは
心音の聴診などがあります。

さらに
全身の動脈・静脈・リンパ系についても学習します。

そうそう心電図も重要分野です
波形の意味がわかるようにしておきましょう

心臓は
血液を全身に送るポンプの機能をしていますが

実はそれだけではないのです
講義でお話します

■呼吸器系

呼吸器系では
鼻、咽頭、喉頭、気道 、気管、気管支、肺などを学習します。

メインは肺です。
肺活量量とかいろいろ出てきます。

心臓と同様に命に関わる臓器ですから重要分野ですね。
また呼吸の学習は奥が深いのです。

■消化器系

消化器系は
口腔、咽頭、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓などを学習します。

どこで何が消化され、吸収されるかるか、そして そのあとどうなるか
複雑ですが たいへん面白い分野です。とくに肝臓の働きがすごいですよ。

また
なんでバランスの良い食事を摂らなければならないか

その理由もわかります
普段の生活に密着しています

■泌尿器系

泌尿器系では
腎臓や膀胱について学習します。

とくに
腎臓も重要な臓器です。

肝臓とも連絡しています
脳とも連絡しています

臓器同士がつながりあっています
不思議です

■生殖器系

生殖器系は
卵巣と子宮の関係が重要項目です。

意外と
難しい分野でなのです

■内分泌系

内分泌系いわゆるホルモンです。
どの部位からどんなホルモンが分泌されるか、

また
それらがどんな働きをするのか、

興味深い分野です。

■神経系

ここでは
脳・脊髄の学習が軸です。

命に関わる臓器です。
中枢神経液・末梢神経系の学習もたいへんです。

■感覚器系

感覚器系は
視覚器、平衡聴覚器、味覚器、嗅覚器、外皮の学習です。

などなどザックリとご紹介しました。

アインスの「先取り解剖生理学講座」「解剖生理学学び直し」では、
解剖生理学を個別講義でわかりやす解説しています。

難解な専門用語を
日常の言葉に言い換えてお話ししています

現在 アインスでは、
看護学校新1年生、新2年生、認定看護師教育課程受験生(現役看護師)が学んでいます。

「病理学」についても少し触れておきましょう。
そもそも

「病理学」とはどのような学問なのでしょうか。

簡単にいってしまえば、
「病気」を研究する学問です。

人間の身体の内部の「病的な変化」のを観察し
「病気」の原因を調べていく学問です。

看護学校の講義では専門家である病理医が担当します。
病理医とは、臨床に出て患者様と接することはなく、

研究室で
顕微鏡とにらめっこしている医師たちです。

「病理学」はたいへん難解な科目です。
大きく2つの視点で捉えられるかもしれません。

■各臓器に共通して起こる病的な変化

①変性(萎縮、肥大など)
②循環障害(充血、うっ血 浮腫など)
③炎症(虫垂炎、肺炎、肝炎、腎炎など)
④腫瘍(骨腫、骨肉腫など)

■各臓器別に現れる病的な変化

①循環器系
②呼吸器系
③消化器系
④泌尿器系
⑤生殖器系
⑥内分泌系
⑦神経系
⑧感覚器系
⑨運動器系

以上を、
1つ1つ学んでいくことになります。

病理医という専門家が講義しますので
やや難解です。

■生化学

まず「生化学」とは、
生命活動とは何かを分子のレベルまで掘り下げて研究する分野です。

高校で生物や化学を学ばなかった「ド文系」の社会人には
たいへん厄介な科目です。

「生化学」によく出てくるキーワード

■細胞
■たんぱく質
■DNA
■RNA
■ATP
■代謝

入学までに、
上記のキーワードをしっかり学習しておきましょう。

生化学は
「解剖生理学」はもちろん「病理学」「薬理学」「栄養学」等とも深く関連しています。

高校基礎生物・高校基礎化学の講座もあります
こちらはDVDもございます